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2008年 05月 28日 ( 1 )

G=E/2(1+ν)

c0060659_6511474.jpg【CHANNEL CLASSICS/CCS 19098】
●ラモー:コンセールによるクラヴサン曲集
⇒トレヴァー・ピノック(Cem)
  レイチェル・ポッジャー(Vn)
  ジョナサン・マンソン(Gamb)

高値を見て買いあぐねていたピノック一派の演奏。新宿ディスクユニオンでついに1K円になっていたので、ようやく手に入れました。
2001年に彼らが来日したとき、紀尾井ホールでコンセール第5番を含む演奏会をやったんですけど(どなたか行かれた方はいますか?)、NHK-FMで放送されたそのパフォーマンスが本当に本当に素晴らしかった。外出のときはその放送をエアチェックしたMDを携帯プレーヤに入れて、繰り返し聴いていた思い出があります。あのころはまだiPodがなかった!

すでにランヌー姉さんたちによるぶっ飛んだコンセールを耳にしてしまった今、改めてピノックたちのセッションを聴くと、マジメだなあという感想が最初にどうしても出てきてしまいます。件のエアチェック録音を引っ張り出してきて聴き比べてみても、バランスや揺れが完璧に整えられていて、白磁のようにつるりとした肌面になっているのがわかる。
おまけにこの録音は、フラウト・トラヴェルソが参加しないんですな。これがでかい。
トラヴェルソのロハスな音が入らず、ピノックもポッジャーも輪郭のくっきりした音楽をやるから、マンソンひとりでは抗すべくもない。したがってソリッドな響きが支配的になって、もともと剛性が高いラモーにしても、やや厳しい風貌になります。

なので、第3コンセールの〈内気〉とか第4コンセールの〈ラモー〉とか、もっと鼻に掛けてグニョグニョやってほしいなあと思わせないではありません(後者に現れた自尊心の高さは、西洋音楽史上屈指のものだと前から思っているんですがどうでしょう)。ここまで硬すぎるとボッキリいきやすいのかな?
一方で、このセッション録音ならではと思われる、硬質な煌めきに溢れている部分が確かにあります。第2コンセールの〈ブコン〉中間部で空を仰ぐように上行する音型や、お馴染み第3コンセールの〈タンブーラン〉で聴かれるポッジャーのスタッカートなんかは、なかなか他の演奏では見出せない痛烈な瞬間です。
by Sonnenfleck | 2008-05-28 06:52 | パンケーキ(18)