![]() ●ラモー:1幕のバレ付きオペラ《ピグマリオン》 →ジョン・エルウィス(T/ピグマリオン) ミケ・ファン・デア・スルイス(S/セフィーズ) フランソワ・ヴァンヘッケ(S/石像) ラシェル・ヤーカー(S/アモール) →ヘレヴェッヘ/シャペル・ロワイヤル ⇒グスタフ・レオンハルト/ラ・プティット・バンド 棚で十分に熟成させてあったDHM50周年箱から。確かに手持ちとのダブりもあったのですが、まだまだ未聴のディスクも多く含まれるので、頑張って聴いていこうと思う。このレオンハルトの《ピグマリオン》も、高名な録音ながら、レオンハルトのラモーはきっと自分の好みのラモーから微妙に外れているに違いないと踏んで聴いてこなかったもの。 序曲や第4場以降に散りばめられた舞曲について言うと、その「自分の好みのラモーとは合わない傾向」が強い。拍の取り方が整然としすぎていて「遊び」の部分がなく、自在な伸縮が起こらない構造になっているものだから、聴いていて息苦しさを感じます。たとえばバッハは「遊び」があってもなくても、どちらのアプローチでもちゃんとバッハの像を結ぶのに対し、ラモーはそうもいかないんだよなあ。さすがのレオ師も2009年にあっては旗色悪し。。 で、この録音で息を飲んだのは、第3場、ピグマリオンが石像の美を讃え愛を告白する場面のねっとりとした美しさなのでありました。 ここぞ、というこの場面で、レオンハルトが拍を引き締める手綱をぐぐっと緩めているのがわかる。指揮をするときは基本的には拍の清潔な秩序で聴かせる人ですから、このように拍の揺らしにかかるのは珍しいことのように思われますし、こうなると控え目な和音の盛り方が却って活きてきますね。 中間部のゲネラルパウゼのあと、折り重なるバソンとフラウトトラヴェルソに導かれて痛切な願望が唱えられる。ここから先の時間は、お一人様ピグマリオンの脳がお花畑になってしまったあとの幻影かもしれません。幻影の入口ならこれほど美しくできているのも納得。 序曲から全開で遊びまくってきた演奏には不可能なこの技。なのです。 + + + これって、フィギュア萌えにすべてを捧げる高度なヲタクに幸福がもたらされるお話なんだよなあ。自分のことが好きな女子を振って2.5次元に耽溺していたら、フィギュアのキャラクタが生身の女子になっちゃって(あるいはヲタクの脳がそのように変容してしまって)、自分だけの幸せな世界に閉じこもると。フィギュアを「変身」させる「アモール」はニコニコ動画のクリップに読み換えちゃうとかしてさ。 この演出が恐ろしいリアルさを伴ってラモーの音楽で実現するのは、今の日本以外にないんじゃないでしょうか。第4場以降の演奏が明るければ明るいほど悲惨さが増すような演出、北とぴあとかでやってくれないかなあ(笑) ▲
by Sonnenfleck
| 2009-07-31 06:41
| パンケーキ(18)
![]() <私の試聴室:バッハ> ●平均律クラヴィーア曲集第1巻* ~第1番ハ長調、第3番嬰ハ長調、第4番嬰ハ短調 ●同第2巻* ~第14番嬰ヘ短調、第16番ト短調 ●無伴奏Vnパルティータ第3番 ホ長調 BWV1006** ●平均律クラヴィーア曲集第1巻* ~第8番変ホ短調 前奏曲 ⇒アンジェラ・ヒューイット(Pf*)/ヴィクトリア・ムローヴァ(Vn**) 95歳と10ヶ月の吉田先生。今宵は口調がおじいさんおじいさんしていない。 「私の試聴室」コーナーが好きで、ハイドン音痴のために最近は聴いていなかった「名曲のたのしみ」を受信する夜。冒頭、グールドについて触れる老先生ですが、グールドの短い生涯は、この人の長い人生にすっぽりと収まっているんだなあ。 そのグールドから自由に飛び立つヒューイットの平均律。 僕はこれまで、なんとなくヒューイットを聴かず嫌いで来たのだけれど、どうもそれは間違いどころか損失であるような気がしてきました。この放送で取り上げられた平均律は、真夏の正午の麦茶のように爽快で、、その透き通った音でもって空気を冷ややかにしているような、そのような感じです。ファツィオーリの特性なのか、ヒューイットのタッチに秘密があるのか。。 一方、吉田秀和をして「この演奏を聴くとバッハがわざわざ面倒くさいポリフォニーを使った理由というのを納得させられる」と言わしめる、ムローヴァの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番。 なるほどアタックも音質も素直かつ植物的で、時に鋭く鳴り過ぎていて集中して聴くのが辛い局面も確かにあるけど、幾層を重ねてもずっとクールビューティなこの音響体に、確かに惹かれるところ大。〈ガヴォット〉への軽いあしらいなんか、薄荷のような甘みを感じさせて実に素敵な印象を受けます。他の曲をどのように実現しているか、確かめなくては。 グールド聴いときゃいいシェリング聴いときゃいい、というレコ芸ヒョーロンカ先生方の醜さから、先駆者自身がすっきりと飛び出してしまっているよい例でありましょう。自分がもしこの先、95歳を超える年齢まで生き続けると仮定して、このように新鮮な演奏に相対する澄明な感性を持ち続けていることができるだろうか? ▲
by Sonnenfleck
| 2009-07-29 06:37
| on the air
![]() 2006年4月に名古屋駅太閤通口のビックカメラで購入した後、晴れの日も雨の日も、灼熱の日も凍える日も、丸3年にわたり僕の精神衛生を守った愛機でありました。合掌。 感傷に浸る間もなく、長ーい通勤時間を音楽なしでいることは絶対にできないので、この日の定時後になんとか職場を抜け出し、有楽町のビックカメラへ。今夜中に次のデバイスを入手しなければ月曜以降の精神衛生は保障されないのだから必死です。 iPodはすでに自分の身体の延長と言ってしまってもいいくらい操作に習熟しているので、他社製品には関心もなくiPod売り場に直行します。touch、classic、shuffleのラインナップを見比べて、自分はiPodに暇つぶしの機能を求めてはいないし、120GBもの容量は必要ないし、文字情報が欠かせない音楽を専門に聴いているのだし、、ということで、やっぱり今回もiPod nanoにすることにしました。色は飽きの来ないシルバー。 旧機は1st generationであり、容量も2GBしかありませんでしたが、今度のnano君は4th generation!液晶は大きく、筐体は薄く滑らかで高級感のあるアルマイト仕上げ、90度傾けるとセンサーが反応して画面も横向きになるクールなヤツ。しかし何より、8GBが標準なのがショッキングでして…これまでの4倍の量が積めるなんて夢のようです。 iTunesに残されているデータをそのまま新機に引き継がせる。旧機が動かなくなる前夜、最後に聴いたハイティンク/ロンドン・フィルの《レニングラード》を再び選んで。 ▲
by Sonnenfleck
| 2009-07-28 06:20
| 精神と時のお買い物
5月末に雨天で流れた職場の草野球が7月25日(土)に順延になって、週後半のセルフ雨乞いも空しく、土曜日は絶好の野球日和。。やったらやったで気持ちいいし、蝉時雨の中で真っ黒に日焼けするのも悪くはありませんが、これを書いている日曜の朝は身体中がボロ雑巾のようです。東京文化会館のリコーダー音楽祭に行こうと思ってたんだけどこりゃムリだな。
そんなズタボロの夏の朝に、気持ちよく染み入るフランスの音楽たち。。 + + + ![]() <フランス近代ピアノ曲集> ●シャブリエ:スケルツォ・ヴァルス、《牧歌》 ●セヴラック:《騾馬ひきの帰還》 ●アーン:《エグランティーヌ王子の夢》 ●サン=サーンス:ワルツ形式によるエチュード ●ドビュッシー:ピアノのために、2つのアラベスク、《喜びの島》 ⇒マグダ・タリアフェロ(Pf) 「私たちは20世紀に生まれた」で拝読して、(汚い言い方で恐縮ですが)ほとんど耳からヨダレ状態になってしまって、さっそく横浜塔で購入したもの。店頭の試聴機で最初のシャブリエを聴き、ぽってりとした分厚い歌心に驚かされたのも大きい。。 ピアノとピアニストのことがなんとなくわかり始めて、しっかりと聴けるようになってきたなあと実感するようになったのは本当に最近のことです。その乏しい感覚からしてみても、タリアフェロという女流の豊饒な表現には何か心を揺さぶられるものが見出されます。 確かに、現代のピアニストが専ら武器にしているような透徹や明晰からは遠いような気がする。微妙な濁りやこごりが音色の中に浮遊しているし、かなり奔放で即興的な雰囲気があります。ただ、その歌い口の濃密さに関しては、現代のクリスタルなピアニストたちが束になってかかっても敵わない重みが漂っているんだよなあ。 このアルバムの後半に収められたドビュッシーなんかその最たる例ですよ。中でもアラベスクについて言えば、今ならもっとスマートに涼しげに、白い麻のジャケットみたいになってしまうようなところを、肉厚の和音で固めてヴォリュームを形成するやり方を採っている。《喜びの島》の豊かな官能性―より正確に言えば明るいエロティシズム―も、そんな肉厚の音色から浮かび上がるものでありましょう。 浪漫とモダンがマーブル状のクリームになって厚く盛られたシャブリエの《牧歌》とアーンの《エグランティーヌ王子の夢》。同じシャブリエでも最初のスケルツォ・ヴァルスやサン=サーンスのエチュードでは、タリアフェロの音色にさらにブリリアントな煌めきが現れます。 素敵なディスク。 ▲
by Sonnenfleck
| 2009-07-27 06:22
| パンケーキ(20)
◆7月20日(月)
0630 目覚めるも氷雨続く。 0900 「旅館 藤や」出発。また来るかも。 0930 裏摩周展望台到着。しかし道道150号線の清里峠に差し掛かりますと、折からの霧雨に加えてミルクのような霧が立ち込め始め、湖面どころか対向車まで見えない始末でありました。スッキリ晴れ渡ってしまった昨年の呪い(+6年)はこれで帳消しか? (↓展望台から下を覗きこんでいるので、たぶん霧の向こう側に湖面がある。) ![]() 1000 それから清里町方面に下り、目印を見つけてダートに入ること2キロ…。野付半島とともに今回の目的地にしていた神の子池に辿り着きます。 ここは伝説的に「摩周湖の水が湧き出している」と言われていて、そんなこともあってオンネトーのような圧倒的秘境を予想していたのですが、脇に大きな駐車場があり、観光バスが乗り付けていたりするのが意外でありました。そうしたバスから降りてくる男ども女どもがつまらない感嘆詞を投げ掛けまくるので、静寂はありません。行かれる方はご注意。 それでも、吸い込まれそうなその蒼さは格別。空は曇天でしたから、空の青みが映りこんでいるわけでもないのに、どうしてこんな色をしているのか?この沼はアイヌ語の名前を持たないようなのですが、それがまた妖しさを引き立てています。 ![]() 1030 ここから中標津方向に引き返し、再び養老牛付近を通過する頃には、この三日間待ち望んだ太陽が出現することに。 1100 地球が丸く見えることについては定評のある丘、開陽台に到着。 ここは中標津空港至近ながら一般的にはマニアックな場所かもしれず、従ってこの日も観光客が多くなかったのは幸いでした。この旅行3日目にしてようやく晴れ渡った根釧台地を眺めることができたのです。遮るもののない眺望。丘の麓には牛の群れ。 ![]() 1350 中標津発羽田行きANA840便(贅沢してプレミアムクラス。うとうと。。) + + + 素晴らしき道東。南方の(東京は間違いなく南方だ)都市生活を送る自分の中で普段ぐろぐろと蟠っている北方志向が、無理なく解放されて、やがて解決される場所であります。 ▲
by Sonnenfleck
| 2009-07-26 06:54
| 日記
◆7月19日(日)
0700 前夜は週日の疲れがモロに出て、瞬時に撃沈さる。目覚めても氷雨続く。 1000 出発。中標津駅前のベスト電器に立ち寄り、レンタカーのナビとiPodをつなぐケーブルを購入する。これで念願の根釧シベ5。 1100 雨には勝てず、このエリア唯一の屋内施設である「標津サーモンパーク」に到着。 正直なめていたのですが、いや、ここは強力な施設でありました。鮭類専門の水族館として、寿司ネタのトラウトサーモンから獰猛なイトウまで一通りをじっくり見せてくれます。 魚類としての生態だけじゃなく、鮭漁の細かなテクニックやスジコの作り方みたいな習俗にも広いスペースを割いているのが特徴的で、鮭鱒好きには総合的に堪えられない空間といえましょう。学芸員さんたちも妙に渋くて素敵です。 昼食には併設のレストランで「標津鮭定食」をオーダー。 1430 この他に屋内施設は、、と探し当てたのが、かつて根室標津駅と釧網本線・標茶駅を結んでいた標津線の旧西春別駅。駅舎はそのまま鉄道資料館に転用されてるみたいで、誰もいない廃駅の旧ホームに立って、霧雨に覆われた往時の根釧原野に思いを馳せる。 …これじゃガチな鉄ヲタじゃないか! 1530 仕方なく宿に直帰。宿に着くと幸い雨が上がっていたので、女将さんに聞いた小さな滝を目指すことにしました。宿から伸びる林道沿いに15分ほど登ると、小振りながら形の美しい滝に辿り着くのであります。 ![]() 2200 この日の夜、部屋で焼酎を舐めていると、女将さんから電話連絡あり。 一体この「旅館 藤や」の何が得がたいかと言ったら、それは、天然記念物にして絶滅危惧種のシマフクロウがこの宿を訪れるというところに尽きます。 宿の前を流れる沢(上述の滝からの流れ)と宿の建物の間の中庭に池が設えてありまして、そこに川魚が放されてるんですね。で、近くの森に棲んでいるらしいシマフクロウが、夜になると池に飛んできて川魚を捕まえて持ち去ると。そのシーンがせいぜい10メートルくらいの至近距離で見られるのが、最高の見ものなのです。気になる方は、夜になったら「旅館 藤や」のサイトからライヴカメラをご覧になってみてください。 実は前夜も夕食中にシマフクロウが飛んできてましてね。今度はじっくり見るために部屋の灯りを消し、窓を開け放って見つめること30分ほど。 その間彼らの鳴き声を何度も耳にすることになりましたが、体長70センチを超す彼らは「ほうほう」ではなくて、「ヴォーヴォウ、ヴォーヴォウ」というVの音で艶やかなバスを夜の大気に響かせるのです。彼らがコタンクルカムイ。後編へ続く。 ▲
by Sonnenfleck
| 2009-07-25 08:06
| 日記
海の日の三連休は道東の人になっていたのでした。
去年の夏休みは釧路空港から入って道東の南側を旅しましたが、今年は中標津空港から入って霧深き根室支庁を重点的に。秘境度は今年のコースがずっと上です。 ◆7月18日(土) 1130 羽田発中標津行きANA837便(揺動激烈) 1345 中標津空港は氷雨。でもレンタカーは新品同様のフィットで幸先良し。 1400 空港近くのスープカレー屋「木多郎」で遅い昼食。フリーダムな店主としばし会話。かつて摩周湖畔に降りてキャンプを張った話、屈斜路♀摩周♂説、温泉は大地の血液、国後島までトンネルを掘る話、等。また行くかもしれない。 1500 日本最大の砂嘴(さし)野付半島へ。まずは半島入口の、海水の浸食によって完璧に白骨化したミズナラ林に非常な寒気を覚えるのであります。 氷雨続くなかネイチャーセンターに到着し、そこからクルマを降りて一面に咲くハマナスの間を20分ほど歩く。果てしない曇天、びょうびょうと吹き付ける冷たい海風、ハマナスの濃い紫色、遠くに白く立ち枯れるトドマツ。 さらにその奥、木道の尽きたところから砂嘴の先端に降り立つことができます。足元は踏むとずぶずぶに崩れる暗い砂浜で、そこに脚を取られてふと顔を上げると、打ち上げられた汚い海草の中で朽ちるトドマツの、抜けるように白い肌。人間の世界じゃないな。 ![]() 観光客は、稀に見るな、という程度。お一人様率も高い。7月の3連休にわざわざこんな場所を選んで訪れる人間なんていうのは、、きっと友だちになれると思います。 1800 心の底から冷え冷えとし、この日の宿がある養老牛(ようろううし/ようろうし)温泉に向けてクルマを飛ばします。この温泉は中標津空港からせいぜい30分くらいで着きますから、秘湯と呼ぶにはあまりにもあっけないアクセスですが、それは中標津空港の周りにいかに牧場と森林しかないかを物語るというわけで。 今回の旅でお世話になることにした「旅館 藤や」は、巨大なホテルでも、あざとい高級旅館でも、古びた民宿でもなく、むしろきわめて平均的な姿をしている。しかし二泊してわかったのは、ここがまったくもって得がたい宿であるということなのです。…中編へ続く。 ▲
by Sonnenfleck
| 2009-07-24 06:22
| 日記
昨日の皆既日蝕ですが、東京の最大時間である1112頃、思い返せばその後に比べるとなんとなく暗かったかなあ…という感じで。次は2035年ですか。
+ + + ![]() <ショスタコーヴィチ/バルシャイ> ●弦楽と木管楽器のための交響曲 op.73a ●室内交響曲 op.83 ⇒ルドルフ・バルシャイ/ヨーロッパ室内管弦楽団 コレッリの作品5(Vnと通奏低音のためのソナタ集)をジェミニアーニがコンチェルト・グロッソに編曲したバージョンがあって、マンゼがAAMを振って録音したものを聴いています。しかし全然しっくりきません。マンゼの鋭角的なリズムの取り方は彼のソロであれば功を奏す場合が多いけど、アンサンブルにそれを適用しようとすると鋭角的というより硬直的になってしまうんだよなあ。同じiPodにエンリコ・ガッティの不滅の録音が入っているので、余計にマンゼの分が悪い。 ただ、これはマンゼのせいとばかりも言えない気がしていて、ジェミニアーニの編曲が原曲のシンプルな味わいを生かしていないんじゃないかとも思うのです。もとのソロVnの旋律を1stVコンチェルティーノに弾かせる一方、対旋律をいくつか増やして他のコンチェルティーノに割り振った結果、主旋律としては多勢に無勢となって、響きが装飾的要素に埋め尽くされてしまっている。リズム硬直+響きモヤモヤ、ではちょっとね。。 そんな文脈において。使える楽器が圧倒的に多いし、そもそもソロソナタと弦楽四重奏曲を比べるのもどうかとは思いますが、それにしてもバルシャイの巧妙な編曲技術には舌を巻いてしまいます。 縦横比が保持されて巨大な弦楽四重奏曲に聴こえる場面もあれば、、協奏曲のようにも変化するし(op.73aの第5楽章はVc協奏曲のようです)、時としてまったく新しい交響曲の一場面に聴こえるところもある(op.83aの圧倒的拡がりには聴き惚れるばかり)。それでいて譜面に自分の個性を焼き付けようというような臭みは微塵もなくて、ただ偉大な作曲家のスタイルを誠実に踏襲し模倣しているだけなのだから凄い。 バルシャイがDGGに録音しているショスタコーヴィチのカルテット編曲は、ヨーロッパ室内管メンバーの超絶技巧を聴くのにも最適でありましょう。1989年と1991年の録音ですから、名フィルのフィッシャー親方もきっとFlとして参加しているはず。 それから、マレーヴィチ! ▲
by Sonnenfleck
| 2009-07-23 06:48
| パンケーキ(20)
![]() 指揮者・若杉弘さん死去 新国立劇場芸術監督(asahi.com/7月21日) どうしてなのかわからないですが、若杉氏とはほとんどご縁がなくて、結局新国立劇場の《軍人たち》が最初で最後の接点になりました。追悼公演になってしまう《ヴォツェック》や《影のない女》を、しっかり受け止めようと思います。合掌。 ▲
by Sonnenfleck
| 2009-07-22 06:49
| 日記
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