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このブログで何度か書いてきた、隣家の庭の巨大な柿の木が、この木の芽時に切り倒されてしまった。
樹高は僕の部屋のある2階の高さをゆうに超え、3階の高さと同等かそれ以上に見えていた。「柿8年」のことを思えば、あの樹高に達するまで10年や20年ではきかないのではないかと考える。夏には照り返す緑色で僕の部屋のなかを染め、秋にはたくさんの鳥が舞い降りては実をついばみ、冬にも堂々とした枝ぶりを寒空に示していた。そして春にはまた、新しい葉をつけようとしていた。 ・2009年4月30日 美しい4月に。 ・2009年11月1日 柿の午後 ・2009年10月18日 暮色蒼然 ・2012年11月10日 柿の晝 隣家の敷地には、古いアトリエのような建物と、柿の木を中心にした活力に満ちた庭が含まれていた。いまはすっかり更地なのだ。小さな一戸建てが2軒建つのだろう。そして庭のことを知らない、罪のない一家が引っ越してくるのだろう。一家には犬がいるかもしれない。犬は柿の木があった気配を感じるかもしれない。 さらば柿の木! ![]() #
by Sonnenfleck
| 2014-04-12 10:22
| 日記
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NHK、ザ八・八ディド氏設計による新NHKホール建設へ(asali.com/4月1日)
NHK経営委員のミリオン尚樹氏による「(現NHKホールは)音楽ホールのくず」発言が物議を醸す中、NHKが新しい音楽用ホールの建設を検討していることが明らかになった。 #
by Sonnenfleck
| 2014-04-01 01:04
| 日記
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せめて、ひと月に一度の更新くらいは死守したいよね。
+ + + 【2014年2月15日(土) 17:30~ 三鷹市芸術文化センター・風のホール】<バッハ> ●ブランデンブルク協奏曲第1番ヘ長調 BWV1046 ●ブランデンブルク協奏曲第6番変ロ長調 BWV1051 ●ブランデンブルク協奏曲第2番ヘ長調 BWV1047 ●ブランデンブルク協奏曲第3番ト長調 BWV1048 ●ブランデンブルク協奏曲第5番ニ長調 BWV1050 ●ブランデンブルク協奏曲第4番ト長調 BWV1049 ○テレマン:Vn、Obと2つのHrのための協奏曲ヘ長調 TWV54:F1 ~ジーグ ⇒ペトラ・ミュレヤンス(Vn)+ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツ(Vn)/ フライブルク・バロック・オーケストラ いかにも雪の多い2月であった。 2月14日の昼から降り始めた関東甲信の雪は、日が暮れると勢いを増し、大規模に降り積もっていった。2月15日の朝、われわれは東京とは思われないような光景を目の当たりにするのである(別に北国ならふつう)。よって、摩周岳登山に活躍した登山靴を引っ張り出すことになり、ひさびさに「雪わらを漕いで」三鷹へ向かうのだ。 自宅からバスでアクセスできる三鷹市芸術文化センター。ここはたいへん素直な響きの中ホールを持っていて、案外、古楽の重要公演が開かれることが多い。2012年のフライブルク・バロック・オーケストラ初来日公演も、僕はこのホールで聴いた。 聴いたが、感想文を書いていない。なぜか。 僕は2012年1月に初めて「古楽のベルリン・フィル」であるFBOを耳にして、どうにもピンと来なかったのである。 理由はいくつか考えられるが、このときの演目がバッハの管弦楽組曲全曲だったのは鍵になり得る。FBOのパリパリッと(ときどきゴリゴリッと)しながら特に 束 感 の あ る 響きは、特にヘンゲルブロックが去ってからこの楽団のアイデンティティになっていると思うんだが、このキャラクタと「かんくみ」のフランス様式とは必ずしも相性がいいわけではない、と感じるんだよねえ。 そのため、翻ってバッハの「コンチェルトグロッソ」であるブランデンブルク協奏曲に相対したとき、彼らの音楽づくりが輝くのは十分に期待ができ、またその期待ははっきりと満たされたのであった。 + + + チェンバロを搬入する予定だった「チェンバロ漫遊日記」さんのこのエントリにも少し触れられているが、2月15日の公演はチェンバロ・コントラバス・ヴィオローネといった大型の楽器がついにホールに到着することができず、ホール備え付けのチェンバロに、市中で調達した(!)コントラバスとヴィオローネを用いるという苦肉の策で、どうにか開演に漕ぎ着けるFBO。だいいち本人たちも、飛行機がキャンセルになったため急遽新幹線で京都から戻ってきたのだから、気の毒である。 こうしたトラブルがあったためか、冒頭の第1番についてはアンサンブルの状態が最上ではなく、少し心配させられたのではあったが、やがて尻上がりに調子を出し始めるのがさすが「BPO」なのですな。 アンサンブルは優秀な個の音の積み重ねであるというすんごく当たり前のことを、第6番と第2番で胸ぐらを掴まれグワッと理解させられる。バロック音楽で時には大切な「ひとつの円やか」に、やはり彼らは収斂されない。でもその代わり、果てしない重層構造が聴こえてくる。この強靱な束感こそFBOの美質なのだなあ。 後半は第3番のアダージョが思いのほかどす黒い装飾を与えられていたのでびっくりしたが、白眉は第5番の第2楽章と第4番なのだった! この日、第5番でチェンバロを担当したセバスティアン・ヴィーナント Sebastian Wienand氏の軽やかで色気のあるタッチ、そして通奏低音Vcを弾いたシュテファン・ミューライゼン Stefan Mühleisen氏のしっとり吸いつくような美音により、第2楽章は震えるほど美しい時間になった。 ミューライゼン氏は特に、これまで自分が生で耳にしたなかで最強のアンサンブル系古楽Vcだったと断言できます。フォルムは強固なのに芯は空疎で、その「洞」に高音楽器の旋律をぴたりと填めてしまうあの音。自分のなかに少しだけ残っているプレイヤーとしてのペルソナが、あんな音が出せたら死んでもいいなと言っている。 ↑シュテファン・ミューライゼンが通奏低音に参加した、ヴィヴァルディのトリオ・ソナタ編成《ラ・フォリア》。お聴きくださいよこの音を。 トリの第4番は、言葉で形容するのが難しい。こういうときは本当にアマチュアでよかったなあと思うのよ。プロの物書きはあの究極的なアンサンブルの魔法を分析して、それをわかりやすい言葉で公衆に提供しなければならないんだから。 第1楽書の終わり、無数の美しい音の束に優しく縛られて法悦を感じてしまったことを書いておく。聴き手を音楽的ドMに突き落とす演奏実践ってどうなのよと思う。それは確実に大正義だけれども。 + + + アンコール。テレマンっぽいなあ、きっとテレマンだなあと思って聴いていたら当たりだった。このアンコールの演奏からすると、いまのFBOはファッシュやジェミニアーニといった華麗系下世話バロックでも平然と素晴らしい演奏をするはず。聴いてみたい。ものすごく。 #
by Sonnenfleck
| 2014-02-23 11:34
| 演奏会聴き語り
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Claudio Abbado dies aged 80(The Guardian, 2014.1.20)
Claudio Abbado, an Italian Conductor With a Global Reach, Is Dead at 80(The New York Times, 2014.1.20) Claudio Abbado ist tot(Die Zeit, 2014.1.20) Le chef d'orchestre Claudio Abbado est mort(Le Monde, 2014.1.20) 世界的指揮者のアバド氏死去(NHK, 2014.1.20) ある音楽家の死について、いつもであれば僕はわりとすぐに平気になってしまうのだが、今回だけはだめである。この指揮者のことをどれだけ好んでいたのか、彼が永遠にいなくなって初めて理解したのだ。もう遅い。 僕がアバドを「本当に」認知したのはそんなに昔のことではない。クラシック好き後発組としてBPO治世の最後のほうをFMで聴いていたころ、アバドは遠い世界で活躍するスター指揮者のひとりであり、特段、大切な指揮者とは感じていなかった。 その認識が根底から覆されたのは、彼がBPOのシェフを辞めて自由な活動を開始してからのこと。2006年5月にマーラー室内管とライヴ録音した《魔笛》のディスクを聴いてから、アバドは僕のスターになった。 + + + 1月20日の夜、残業を切り上げて帰宅する地下鉄の車内で、友人から届いた知らせが第一報。Twitterにあふれていく追悼の言葉。帰宅してすぐに僕は、あの魔笛を聴くことにした。この夜に聴くのはこの演奏以外であってはいけない。 アバドが彼の晩年に集中的に取り上げたモーツァルトは、どれも素晴らしかった。生のスコアが彼のなかを通ることで昇華されて、すべての音符は羽が生えているみたいに素早く、あっという間に飛び去るように価値づけられた。この陰翳と軽さはピリオド由来なのかもしれないし、そうでないかもしれない。いま、指揮者の死を知った僕の耳を通過して、アバドの魔笛はどこかに飛んでいこうとしていた。0時を回って、太陽の教団が勝利を収める。 いまの気分では、書きたい思いが全然まとまらない。 アバドの音楽をどのように考えているか、2013年7月のエントリ「天上謫仙人、またはアバドに関する小さなメモ」へもう一度リンクを張っておこうと思う。言い訳のようにして。オーケストラ・モーツァルトとのシューマン全集の完結を僕たちの想像力に委ねて、マエストロは遠いところへ行ってしまった。 ![]() #
by Sonnenfleck
| 2014-01-26 11:33
| 日記
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![]() あけましておめでとうございます。 旧年中はこれまでにないほどブログの運営から遠ざかってしまい、もうそれほど多くはないであろう、でもとても大切な読者の皆さんには平身低頭、お詫び申し上げるほかありません。日々のつれづれに、Twitterに短い文章を書いて気を紛らわせることも多いのですが、この年頭に声を大にして申し上げたいのは、このブログを閉じるつもりはないということです。自分の本拠地はここです。 かつて大勢いたクラシック音楽系ブロガー仲間の多くがTwitterに移住して、そのまま戻ってこなくなったのは無理からぬことと思います。僕も実際に使ってみて、あの楽ちんさを理解しました。あれを覚えるともうブログを書く気にはならないかもしれない。 しかし(ふたつ前のエントリでも書きましたが)すべての事象、またそれに対するすべての思いが140字ずつの房でまとまっているわけはないんですよ。ところが、Twitterに首までどっぷり浸かることで、その房に収まるように自分の思いや記述方法がだんだん矯正されていくのを僕は感じています。それではまったくよろしくない。自分で自分に用意する原稿用紙は無限の白紙でないといけなくて、それだけが、またそれこそが「ブログ」の有している圧倒的な価値です。 従来のようなたくさんの投稿は今年も難しいはずです。でもしぶとく続けていきます。この場所でね。 #
by Sonnenfleck
| 2014-01-04 11:07
| 日記
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