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デュモンに懲りて膾を吹く

c0060659_6553092.jpg【RICERCAR/RIC 202】
●デュモン:グラン・モテ集
→ヴァレリー・ガバイユ(S)、カルロス・メーナ(C-T)
  ジャン=フランソワ・ノヴェッリ(T)
  アルノー・マルゾラティ(Br)、ステファン・マクレオー(Bs)
⇒フィリップ・ピエルロ/
  リチェルカーレ・コンソート、ナミュール室内合唱団

リチェルカーレ・コンソートとナミュール室内合唱団が、こんなに端正で柔らかい響きを出す団体だと知っていれば、もっと早くから追いかけていたことでしょう。
このデュモンはまったく絶品と言うほかありません。。

僕は通奏低音で古楽に入ったから、声楽作品を聴き始めると最初はどうしても耳の焦点が鍵盤や低音の擦弦楽器に合いがちなのです。続いて高音擦弦楽器にむりやり耳を傾け、そしてようやく、あー声も響いているなあ…ということに気がついて俯瞰体勢へ移行していく。
そんなことがわかっているから、親しんでいない作品を聴くときは用心する。

ところがこの演奏では、冒頭から全体がすぅーっと頭に飛び込んでくるのでした。声楽と器楽が自然に深いところで宥和して、絶妙の柔らかさで響いてくる。トラック1の《マニフィカト》冒頭の深々とした器楽合奏と、そこへふんわりと覆いかぶさって地声ライクな詠嘆を聴かせるバリトンとは、実はこれ以上ないバランスなのだろう。
ラテン語の子音がいい意味で生っぽいのも面白い。着飾って大袈裟に縁取りされた子音は、デュモンのように落ち着き払った音楽には似合わないもんなあ。さらにここでピエルロが指示しているであろう器楽の「ガチャガチャしなさ」は実に見事。

円いバロックには円いなりの佳さがあるというわけ。
by Sonnenfleck | 2008-02-14 06:56 | パンケーキ(17)