大学に受かった春、東京と神奈川の境目あたりにある街に出てきた僕は、入学式の人波に恐怖しながらたどり着いた先に数人のおねえさんたちを目にした。彼女たちは「バロックアンサンブル」と書いた手づくりの札を肩から提げていた。
かくして僕の「バロアン」時代が始まる。 (だいたい)1680年〜1760年くらいに書かれた小さめの編成の曲を定期演奏会にかけては1年をまったりと過ごすこのサークルで、ふるさとの訛りを隠すすべを身につけるのと並行して、僕は通奏低音見習いとしてこの狭い時代の音楽に親しんでいったのだ。 + + + 大学で東京に出る前から満遍なくいろんな時代の音楽を聴いてきたけれども、しかしこのころ獲得した「狭いバロック音楽」の呪いが、結果としてずいぶん自分を苦しめることになりました。 「狭いバロック音楽」に浸った学生時代の自分には、たいていのひとがそうであるのと同じように切って売るほど時間があった。ヘンデルらしい進行やテレマンらしい進行、ときどきはコレッリらしい進行を浴びるように聴いて、その狭い時代に完璧に適応する代償として、時代の少し前や少し後の「逸脱」を許容し味わう能力を僕は失った。 さてクラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643)は、1642年に《ポッペアの戴冠》を生み出して世を去った作曲家です。 モンテヴェルディの音楽は、たとえばヘンデル(1685-1759)に深く親しんで一体化してしまった耳からすればきわめて異質で、心地よくない。この「心地よくなさ」というのが曲者で、音楽史的にいくら重要だと理解していても心は拒絶が先に立つ。卒業してサークルを追い出されてからも、モンテヴェルディやカヴァッリやシュッツと自分の心の間にある深い溝を感じながら、あっという間に15年以上の時が流れたのだったが…。 そうして2019年は、モンテヴェルディとの和解から始まる! + + + ![]() 【2019年1月19日(土)14:00〜 いずみホール】 ●モンテヴェルディ:《ポッペアの戴冠》 石橋栄実(フォルトゥーナ/ダミジェッラ) 鈴木美登里(ヴィルトゥ) 守谷由香(アモーレ) 望月哲也(ネローネ) 阿部雅子(ポッペア) 加納悦子(オッターヴィア) 藤木大地(オットーネ) 岩森美里(アルナルタ) 櫻田亮(ヌトリーチェ) 山口清子(ドゥルジッラ) 斉木健詞(セネカ) 小堀勇介(ルカーノ) 田中純(リクトール/護民官) 向野由美子(ヴァレット) 村松稔之(セネカの友人) 福島康晴(兵士/リベルト/執政官) 中嶋克彦(兵士/セネカの友人/執政官) 小笠原美敬(セネカの友人/護民官) ――― リコーダー:太田光子、江崎浩司 コルネット:上野訓子、笠原雅仁 ヴァイオリン:伊左治道生、渡邊慶子、宮崎容子、丸山韶 ヴィオラ:宮崎桃子 ヴィオローネ:西澤誠治 チェロ:懸田貴嗣、山本徹 チェンバロ/オルガン:渡邊孝 リュート、テオルボ:坂本龍右、金子浩 指揮・チェンバロ:渡邊順生 緑に覆われた巨大な孤峰に登る和解の道は、どうやらオペラ、ということだった。 この登山道に至るまで、狭いバロック音楽の、しかも器楽に慣れ親しんだ心を徐々に溶かしてくれていたのが、レオナルド・ヴィンチ(1690-1730)が生み出した奇跡のオペラ《アルタセルセ》なんですけど(この出会いに関してはまたいずれちゃんとブログに書いて残したい)、生理的な快感としての声の力を十分に味わうすべをこのオペラで身につけて、それがモンテヴェルディへのアプローチにつながったのは、まさしく縁というか運というか。 つまり、別に後期バロックの和声進行であろうがなかろうが、声は深い溝を越えてこちらに届く。何の難しいこともなく、甘い重唱のハルモニア・ムンディが脳みそを覆い尽くす。そんなシンプルな力が電撃的にモンテヴェルディへの道を開いたのだ。 少し話がずれるけど、たぶんこの先の音楽オタク人生において、いずれロッシーニやドニゼッティ、またはパレストリーナやビクトリアへの道が開かれると思う。ヴェルディやプッチーニにはワーグナーを経由しないとたどり着けないかもしれないけれど、とにかくそこにも行けそうなんだよ。かように声の力はすべての障害を取り払う。 + + + いずみホールに初めて出かけていって、この日は当日券で前から2列目の右寄りを買い求めた。小編成の古楽アンサンブルはなるべく実音に近いところで聴くのが自分の流儀だからなんですけど、この選択は予想もせず吉と出る。 ホールに入ると舞台前方に渡邊順生氏が弾きながら指揮するためのチェンバロが縦に置かれて、その周囲を小さいオケが取り囲んでいる。 演技のスペースはその後方、オルガン台へのアプローチを使ってとても上手に設営されていて、また、自分の席の真ん前に、オルガン台との高低差を演出する小舞台が設えてある。これは佳いね。演出は髙岸未朝氏。 ◆1.演出について 照明が暗転すると、この公演のために一度限り集められた超絶豪華な「オケ」が荘重なシンフォニアを奏でる。 やがて「アモーレ」(守谷由香氏)が戯けた身振りで舞台袖から出てきます。髙岸氏はこの後、ワキと道化と萌えキャラのキメラとしてアモーレを上手に使って、ものがたりを回していく。 神々の短い戯れが終わると、弱々しいコキュ・オットーネがふらつきながら入場。彼が懐かしく見上げるオルガン台の下の閨にはネローネとポッペアがいて、やがて後朝の別れを迎える。 ここでシュトラウスの音楽や、オクタヴィアンと元帥夫人を思い浮かべないわけにはゆかぬ!初代皇帝と同じ名前の小僧と第5代皇帝ネローネが同期するためには、ネローネが女声であればなおよかったんだけど、まあいいんだ。くどくどしい別れの台本に甘い音楽が纏わりつくのを陶然として聴いているうちに、この想念も消えていく。 やがてネローネはセネカと口喧嘩を始めるが、形成は見事に不利である。しこも愛するポッペアが邪魔立てするセネカを貶めるので、自尊心の鬼になったネローネによってセネカは自死に追い込まれます。 髙岸氏冴えてるなあと思ったのは、オルガン台の陰で手首を切ったセネカの腕から赤い血が滴る前で、ネローネとその部下ルカーノが男色に耽るシーンをしっかり描写したところねえ。ここはさっきの「女声ネローネ」と逆の「男声ネローネ」だからこそ強烈な印象を与えるのよ。視覚のインモラルが甘い音楽によっていやが上にも引き立つ。ところで、髙岸氏の見解ではネローネは受けである。 これとほぼ連続して、石女オッターヴィア(…捩れたオクタヴィアン!)の小姓・ヴァレット(ソプラノ)と侍女・ダミジェッラ(ソプラノ)がこの世の春のごとく絡むシーン。ここ、聴覚的には男声ネローネの男色シーンと鏡写しになるので、面白いくらい奥行きが出るんだなあ。視覚的にもルカーノ×ネローネと対比をつけて自由に舞台を走り回らせ、華々しいエロスで飾ってました。上手。 その後の筋書きはなんとも面白くないけれど、ドラマを維持するためにポッペアの乳母・アルナルタとオッターヴィアの乳母・ヌトリーチェが道化合戦を繰り広げる。ここでアモーレが最前面から前面に後退するのは少しもったいなかったが、乳母合戦にあんまり絡ませすぎても煩いし、バランスが難しいよね。。 敗残のオッターヴィアを流刑に処して、見よ、悪徳はどこまでも栄える。 この日の舞台ではネローネとポッペアのラストシーンはすごくシンプルなヘテロの絡みとして描かれていたけど、それはこのとき後ろで鳴っている音楽を踏まえれば当然だな、と納得。何しろ音楽がここでぶっとい浪漫を描写してるもんなあ。最後にアモーレに恍惚とした表情をさせたのもさらに好ましかった。 これはとにもかくにもエロスの成就だもんね。 ◆2.演奏実践について まずネローネの望月哲也氏は、男の脆さと虚飾を実に巧みに歌い込んでたと思われる。堂々とした体躯もそれを後押し。ポッペアの阿部雅子氏は天真爛漫7・邪悪3くらいの織り合わせで演じてまして、虚飾のないポッペアの実像という感じ。ただネローネに好かれただけで、このひと別にそんなに悪いことしてない。 オッターヴィアの加納悦子氏はさすがの貫禄で、絶望が服を着て歌っているような冷たい声質に背筋が寒い。 オットーネの藤木大地氏は、作中最もしょぼいこの男性をなよやかに描いて吉。藤木氏、最近よくメディアでお見かけするとおり叙情的な歌い口が味わい深く、次はヘンデルの世俗カンタータいかがっすかねえー。いずみホールよりもっと小さな箱でしんみり聴きたい。 セネカの斉木健詞氏も好かったなあ。強靭で滑らかなバスで完全にネローネに競り勝ち、これは自害でも仕方ない。 乳母コンビは前述のようにひたすら美味しい役どころですが、アルナルタの岩森美里氏は「怪演」のひとこと。夢に出そう。そしてヌトリーチェの櫻田亮氏は、いつも真面目にバッハを歌ってるひととは思えないコミカル演技ににっこりさせられました。 それから自分はやっぱり、「オケ」の魅力について書かずにはいられない。 ヴィオローネ:西澤誠治 チェロ:懸田貴嗣、山本徹 チェンバロ/オルガン:渡邊孝 リュート・テオルボ:坂本龍右、金子浩 指揮・チェンバロ:渡邊順生 という超豪華な通奏低音隊に、痺れるような快感を感じながら4時間を過ごす。これ以上の贅沢があるかなあ? 指揮というかプロデューサーを務めた渡邊順生氏は要所要所のリズムを引き締めながら、アンサンブルの主軸に渡邊孝氏をかっちり据えて、そのまま自由にやらせていた印象。10年前にヘンデルの《タメルラーノ》を聴いて以来、渡邊孝氏の鍵盤をやーーっと聴けましたよ。濃密なルバートも爽快な走句も自在。 そこへ懸田貴嗣氏、山本徹氏という古楽二大看板チェロ奏者が加わり、坂本龍右氏と金子浩氏の優しいつまびきが乗っかり、西澤誠治氏のヴィオローネが全部を受け止めて低く鳴る。繰り返しになって恐縮ですが、本当にこれは本当に耳福のきわみ。蠢く通奏低音隊、モンテヴェルディのようにキアロスクーロがきつい音楽ではさらに輝く。 + + + カーテンコールでポッペアが泣いてた。 悪徳なのに善い舞台だったんですよ、礒山先生。 おしまい。 ▲
by Sonnenfleck
| 2019-02-10 21:59
| 演奏会聴き語り
チケット購入済みのもの。このほかも気分とひまに応じて。
◆08月07日(日) 14:00@紀尾井ホール 「絆」東京藝大附高卒業生男性5人によるPIANO CONCERT ◆08月22日(月) 19:00@サントリーホール 「サントリーサマフェス2011」映像×音楽(管弦楽) ◆08月27日(土) 16:00@サントリーホール小ホール 「サントリーサマフェス2011」無声映画『瀧の白糸』溝口健二×望月京 ◆08月27日(土) 19:00@サントリーホール小ホール 「サントリーサマフェス2011」映像×音楽(室内楽) ◆09月04日(日) 14:00@東京オペラシティ トゥルコヴィチ/都響「作曲家の肖像《モーツァルト》」 ◆09月09日(金) 19:00@日本福音ルーテル東京教会 「Georg Philipp Telemann Ⅴ」 ◆09月10日(土) 18:00@NHKホール ブロムシュテット/N響《新世界から》など ◆09月18日(日) 18:00@TOHOシネマズみゆき座 『アマデウス』ディレクターズ・カット版 ◆09月23日(金) 13:00@近江楽堂 アンサンブル・ディアマンテ「織り込まれた宝石」 ◆09月23日(金) 18:00@白寿ホール 大井浩明POC♯6「クセナキス歿後10周年・全鍵盤作品演奏会」 ◆10月15日(土) 14:00@サントリーホール メッツマッハー/新日フィル|アイヴズ+ショスタコーヴィチ ◆10月15日(土) 18:00@NHKホール プレヴィン/N響《ドイツ・レクイエム》 ◆10月22日(土) 15:00@NHKホール プレヴィン/N響《トゥーランガリラ交響曲》 ◆11月11日(金) 19:00@NHKホール コウト/N響《大地の歌》など ◆11月13日(日) 15:00@所沢ミューズ アリーナ・イブラギモヴァ→バッハ ◆11月20日(日) 15:00@トッパンホール 〈ル・プロジェ エマール 2〉コラージュ─モンタージュ 2011 ◆01月14日(土) 15:00@三鷹芸術文化センター フライブルク・バロック・オーケストラ→管組尽くし ◆02月26日(日) 13:00@浜離宮朝日ホール メルニコフ→ショスタコーヴィチ《24の前奏曲とフーガ》全曲 + + + すでに毎夏の東京ではちょっとした呼び物である、藝大高校OB5人のピアノユニット「絆」の公演が今週末に迫っています。 毎年テーマがあって、ちょいマニアックな選曲に胸躍る感じでしたが、今回は特にテーマを持たせずに、東日本大震災犠牲者への祈りを音楽で表す由。 ●モーツァルト/リスト:《レクイエム》より ●リスト:ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調 S.244 ●シューマン:《森の情景》op.82 ●ベートーヴェン:Pfソナタ第32番ハ短調 op.111 ●バーバー:Pfソナタ変ホ短調 op.26 ●スクリャービン:Pfソナタ第3番嬰ヘ短調 op.23 といったふうに各人の勝負曲が並ぶ中で、当ブログにて勝手に応援中の佐藤卓史は、ベートーヴェンの32番を持ってきてます。本人に聞いたところでは当日券もありそうということなので、真夏にいつも不足する「硬派なクラシック」をお求めの方はぜひお運びください。チケ代も安いし! ▲
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| 2011-08-03 22:45
| 日記
今年もやらなかんなあ。
2005年はモスクワ室内歌劇場のショスタコーヴィチ《鼻》、2006年はアーノンクール/CMWの《メサイア》、2007年は>BCJの《ロ短調ミサ》、2008年はパリ国立オペラ 《トリスタンとイゾルデ》が1位でした。どうすかね今年は。 10位 ◆新国立劇場オペラ研修所公演 《カルメル会修道女の対話》(3月) →ずらりスター揃い踏み、の公演だったら、きっとこんなに素晴らしくはなかった。 9位 ◆ブリュッヘン/新日フィル ハイドン・プロジェクト 《天地創造》(2月) →光あれ! 8位 ◆[カルミナ・ウィークエンド]第4日:The Challengers(9月) →超インテリバルトーク+ジミヘンの20世紀。 7位 ◆ラザレフ/日フィル 第614回東京定期演奏会(11月) →むしろギャップ萌え。 6位 ◆ハーディング/新日フィル 第442回定期演奏会@すみだ(3月) →ようやくハーディングの凄さに気がつく《幻想交響曲》。 5位 ◆ボストリッジ+ビケット/東響 名曲全集第51回(11月) →ヘンデル×ボストリッジの250年越しラヴ。 4位 ◆トゥルノフスキー/群響@地方都市オーケストラ・フェスティヴァル(3月) →ようやくトゥルノフスキーの凄さに気がつく《海》。 3位 ◆東京二期会―R. シュトラウス《カプリッチョ》(11月) →心にしまっておきたいシュトラウス。 2位 ◆ミンコフスキ/ルーヴル宮音楽隊(ラモー&モーツァルト)(11月) →いまだ感想文提出ならず。ラモヲタの計測器は針が振り切れてしまった。 1位 ◆【LFJ】スキップ・センペ(ルイ・クープランほか)(5月) →ルイ・クープランの、あの空気は何だったか? 以下選外ながら心に残ったもの。 ハイティンク/シカゴ交響楽団@横浜みなとみらいホール(1月) カンブルラン/読売日響 みなとみらいホリデー名曲コンサート(4月) ヴィラ=ロボス没後50年記念 ブラジル風バッハ全曲演奏会(8月) ゲルネ+エマール[ベルク→シューマン]@東京オペラシティ(10月) 新国立劇場《ヴォツェック》(11月) ハノーファーの風 佐藤卓史×矢島愛子@武蔵ホール(11月) 小林道夫《ゴルトベルク変奏曲》@東京文化会館(12月) ・2009年は感想文が書けてないコンサートが多いす。 ・東京の西側でも休日に室内楽が聴きたいのです。がんばれ所沢がんばれ。 ・今年のLFJはショパンなので、聴きに行くのは数公演に絞ると思う。 ▲
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| 2010-01-04 12:45
| 演奏会聴き語り
10位 ◆新国立劇場オペラ研修所公演 《カルメル会修道女の対話》(3月)
9位 ◆ブリュッヘン/新日フィル ハイドン・プロジェクト 《天地創造》(2月) 8位 ◆[カルミナ・ウィークエンド]第4日:The Challengers(9月) 7位 ◆ラザレフ/日フィル 第614回東京定期演奏会(11月) 6位 ◆ハーディング/新日フィル 第442回定期演奏会@すみだ(3月) 5位 ◆ボストリッジ+ビケット/東響 名曲全集第51回(11月) 4位 ◆トゥルノフスキー/群響@地方都市オーケストラ・フェスティヴァル(3月) 3位 ◆東京二期会―R. シュトラウス《カプリッチョ》(11月) 2位 ◆ミンコフスキ/ルーヴル宮音楽隊(ラモー&モーツァルト)(11月) 1位 ◆【LFJ】スキップ・センペ(ルイ・クープランほか)(5月) 以下選外ながら心に残ったもの。 ハイティンク/シカゴ交響楽団@横浜みなとみらいホール カンブルラン/読売日響 みなとみらいホリデー名曲コンサート ゲルネ+エマール[ベルク→シューマン]@東京オペラシティ 新国立劇場《ヴォツェック》 小林道夫《ゴルトベルク変奏曲》@東京文化会館 追記しました(1/4)。 ▲
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| 2009-12-29 14:36
| 演奏会聴き語り
■11月 5日(木) ミンコフスキ/ルーヴル宮音楽隊@オペラシティ
□11月14日(土) 佐藤卓史 タワレコ渋谷インストアライヴ(行ければ) ■11月21日(土) 新国立劇場《ヴォツェック》 ■11月22日(日) 東京二期会《カプリッチョ》 ■11月28日(土) ロジェストヴェンスキー/読売日響 第116回芸劇マチネー ■11月28日(土) ハノーファーの風 佐藤卓史×矢島愛子@武蔵ホール ■11月29日(日) ボストリッジ+ビケット/東響 川崎名曲全集 ▲
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| 2009-11-03 10:12
| 日記
■9月 5日(土) アントネッロ:バルトロメオ・デ・セルマ作品集@近江楽堂
■9月 9日(水) ホグウッド/N響 第1652回定期公演Bプロ ■9月11日(金) ロイヤル・オペラ・ハウス《兵士の物語》@新国立劇場 ■9月20日(日) ホグウッド/N響 第1653回定期公演Aプロ ■9月21日(月) クララ・シューマン 愛の協奏曲 ■9月23日(水) スクロヴァチェフスキ/読売日響 芸劇マチネー ■9月26日(土) ホグウッド/N響 第1654回定期公演Cプロ ■9月27日(日) ジャン=ギアン・ケラス 無伴奏チェロ組曲選集@ミューズ所沢 + + + ■10月3日(土) 古典四重奏団 ショスタコーヴィチ・ツィクルスvol.2-1 ■10月10日(土) 東京二期会+読響 《蝶々夫人》 ■10月11日(日) ゲルネ+エマール ■10月12日(月) 横浜バロックアンサンブル 第3回室内楽コンサート ■10月17日(土) ふて寝 ■10月23日(金) ピーター・ウィスペルウェイ 無伴奏チェロリサイタル ■10月24日(土) ラザレフ/日フィル 第614回東京定期演奏会 ▲
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| 2009-10-01 06:32
| 日記
![]() その方が発見しやすい容貌をされているというのもあると思うんだけど、それにしてもよくお会いします。先方の興味の対象や趣味が僕と完全に一致しているか、もしくは先方がすべての公演に足を運ぶウルトラコンサートゴアーなのか、それはわからない。ただ、そもそもこのブログを書き始める以前からたびたび遭遇していたし、東京から名古屋に移って、名古屋以西の注目公演でも何度か見かけたし、直近ではハイティンク/シカゴ響とブリュッヘン/新日フィルで2週連続のニアミスになってしまった。席が近いことも多い。 今回はさらに、《天地創造》を聴いたあと新宿のディスクユニオンに立ち寄ったのですが、そこでもバッタリやってしまった。行動パターンまで一緒だ。なんということだ。 でも一度も声を掛けたことはありません。むこうがこちらを認識していない可能性も十分にあって、「よくお会いしますね!」というコメントが謎な雰囲気になってしまうかもしれない。 案外、この文章を読んでいただいているあなたかもしれませんね。狭い世界ですもの。 いつか言葉を交わすことはありますか。 ▲
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| 2009-02-10 06:59
| 日記
寝込んでる間に師走も残りわずか。今年もやりましょう。
2008年は51件のコンサートに出かけています。昨年に続きLFJで水増しされているので、その一晩を(あるいは夕方を)音楽に費やした日数という意味ではもう少し減るかも。 2005年はモスクワ室内歌劇場のショスタコーヴィチ《鼻》、2006年はアーノンクール/CMWの《メサイア》、2007年はBCJの《ロ短調ミサ》が1位でしたが、果たして今年は! 10位 ◆ニケ/ル・コンセール・スピリテュエル@名古屋(10月) →体験することに意義がある。 9位 ◆沼尻竜典オペラセレクション VOL.2 《サロメ》@びわ湖ホール(10月) →〈7つのヴェールの踊り〉のグロテスクに敬意を表して。 8位 ◆新国立劇場 《軍人たち》 初日(5月) →赤い色と黒い色と轟音が脳裏に焼きつく。 7位 ◆クス弦楽四重奏団@名古屋(7月) →弦楽四重奏にカビが生えているなんて誰が言ったの? 6位 ◆【LFJ】トリオ・ショーソンのD929(5月) →クールなメガネ男子たち。 5位 ◆ブロムシュテット/N響の《グレート》@名古屋(1月) →あの快速にハートを奪われてしまった。 4位 ◆名古屋フィル 第343回定演(1月)→尾高氏のデュリュフレ《レクイエム》 →1月に聴いた時点で「ランキング入り確定」だった演奏会。 3位 ◆イェルク・デームス Pfリサイタル@宗次ホール(11月) →あのシューベルトとフランクは忘れようにも忘れられない。 2位 ◆驚くべき、驚くべきシュトライヒャー@宗次ホール(10月) →心の底からメンデルスゾーンを味わった。 1位 ◆パリ国立オペラ 《トリスタンとイゾルデ》その1、その2(7月) →生きているうちにこれを上回るトリスタン体験ができるだろうか? 以下選外ながら印象に残ったもの。 フェルトホーヴェン/オランダ・バッハ協会 《ヨハネ受難曲》@長久手(2月) コーリャ・ブラッハー Vnリサイタル@しらかわホール(3月) A High Time with Lute Music 5(4月) 名古屋フィル 第346回定演(4月)→<ツァラトゥストラ1> 【LFJ】シャニ・ディリュカ@みつを(5月) 【LFJ】久保田巧+佐藤卓史(5月) ABQ Farewell Tour 名古屋公演(5月) びわ湖の夏・オペラ・ビエンナーレ 《フィガロの結婚》(7月) 名古屋フィル 第13回市民会館名曲シリーズ(8月)→フィッシャー親方の《運命》 大井浩明 Beethovenfries 第六回公演@京都文化博物館(10月) 下野/名フィル+名古屋市民コーラス メンデルスゾーン《聖パウロ》(11月) 今年はワーグナー、メンデルスゾーンと、ドイツ・ロマン派に対して素直に心から打ち解けることができた元年、だったかもしれません。それから、このホールに関しては色々と書いたけれど、宗次ホールが自分のホームグラウンドになりかけていただけに、このタイミングで名古屋を離れなくてはならなかったのが悔しい。これからも良質な企画を提供し続けてください。ココイチの看板を見るたびに思い出すことにします。 来年もいい出会いがありますように! ▲
by Sonnenfleck
| 2008-12-24 06:51
| 演奏会聴き語り
忘年会も終わったし、そろそろシメなきゃならんでありましょう。
今数えたら2007年は34回のコンサートに出かけています。ただしラフォルジュルネの公演で水増ししてるので、数自体は例年に比べてかなり減少してますねえ。。2005年はモスクワ室内歌劇場のショスタコーヴィチ《鼻》、2006年はアーノンクール/CMWの《メサイア》が1位をさらっていきましたが、果たして今年は! 10位■ブリュッヘン/新日本フィル トリフォニー・シリーズ(1月) →結局どのように捉えたらよかったのか、今でもわからない。 9位■武本京子ロマンティック室内楽 第2回「ピアノ五重奏の魅力」(9月) →シューマンよかったッス。 8位■【LFJ】ダニエル・ロイスのストラヴィンスキー《結婚》(5月) →メタリック。 7位■バッハ・コレギウム・ジャパン《エジプトのイスラエル人》@初台(11月) →カエル。 6位■名古屋フィル 第333回定演(2月) →沼尻氏のマラ6。名フィルの底力を聴いた。 5位■ヤンソンス/バイエルン放送交響楽団@豊田(11月) →贅沢したーという印象だけが核として残っているのが徐々に判明してきました(12月)。 4位■ドホナーニ/北ドイツ放送交響楽団@名古屋(5月) →ドホナーニ先生最高。 3位■バッハ・コレギウム・ジャパン《ヨハネ受難曲》@名古屋(4月) →ヨハネの烈しさをまざまざと見せつけられました。および浦野さん萌え。 2位■「武満徹を聴く、武満徹をうたう」コンサート その1、その2(1月) →武満のエッセンスを煮詰めた、最高に素晴らしい2時間だったと思う。本当に。 1位■バッハ・コレギウム・ジャパン《ロ短調ミサ》@名古屋(10月) →BCJ的にはこれでもまだ通過点にすぎないんじゃないかと思われます。 以下選外ながら印象に残ったもの。 アファナシエフ Pfリサイタル(12月) 有田正広 レクチャーコンサート@宗次ホール(7月) 名古屋フィル 第337回定演(6月) 【LFJ】アントニア・コントレラスのファリャ(5月) 【LFJ】カルテット・ヴェーネレのバルトーク公開レッスン(5月) 名古屋フィル 第335回定演(4月) グリーン・エコー第50回演奏会 《ミサ・ソレムニス》(3月) 今年は、行けて満足な公演よりも行けなくて悔しかった公演のほうが強い印象を残していて、そういう意味ではランキングに負のオーラが漂っている気がせんでもないですが。。《モーゼとアロン》とか、目白のガッティとか、日比谷のショスタコとかね。。 さてさて来年は名フィルの大爆発元年として長い間記憶される一年となるでしょう。日本のプロオケの中では間違いなく、最も前衛的でぶっ飛んだプログラムが組まれていると思う。発表当時「未定」だった08年5月定期のトロンボーン協奏曲が、ロータとマルタンの2本立てにパワーアップしましたし。皆勤狙いますよう。 ▲
by Sonnenfleck
| 2007-12-22 09:15
| 演奏会聴き語り
![]() ●ムソルグスキー:《禿山の一夜》(1台4手 ※+) ●メトネル:《忘れられた調べ》第2集 op.39~ ※ 〈春〉、〈朝の歌〉、〈悲劇的ソナタ〉 ●グリンカ/バラキレフ:《ひばり》 + ●プロコフィエフ:《4つの小品》op.4~ + 〈絶望〉、〈悪魔的暗示〉 ●ストラヴィンスキー:《春の祭典》(2台4手 ※+) ○アンコール ラフマニノフ:《ヴォカリーズ》(2台4手 ※+) ⇒愛知とし子(Pf※)&加藤希央(Pf+) 禍々しいロシア風味もさることながら、チラシのデザインに惚れた。ジャケ買い。 結果的に内容もよくて、平日の夜に無理をして出かけた甲斐のあるコンサートでした。 2人のきれいなお姉様方の入場、、華やいだ空気、、をどん底に突き落とす、どんより不吉な《禿山...》でスタート。ぐーねぐねととぐろを巻いたような妖しい表情が付き、きれいにまとまっちゃうのかなという先入観は思いっきり覆されて、最後の鐘まで一気呵成に聴かせる。 2人とも「ピアノっぽさ・楽音ぽさ」への拘りを見事に捨て去っており、ピアノの文脈では突拍子もないであろう(たとえば打楽器のような)音を遠慮なく投げつけてくるので、まるでオケを聴いているようでした。これはお世辞抜きです。 いっぽう、愛知さんソロのメトネルではそれが裏目に出たのかなあ。。 〈朝〉なんかはもっと素直にロマンティックに歌っちゃえばいいのに…という瞬間が多かったし(ペダル離してスンドメ!にがっかりすること多数)、逆に〈悲劇的ソナタ〉はちょっとヒステリックにぶっ叩きすぎではないかと思われました。この辺は単に好みの問題かもしれない。 加藤さんのソロで聴くグリンカとプロコフィエフ、この方は怜悧な感じがする鋭い音の持ち主で、それに適合する作品をうまく持ってきたなあという感じ。プロコの〈悪魔的暗示〉はいかにもの選曲で、楽音らしさを捨てた強烈な打鍵にたじろぎます。。 で、《春の祭典》ですけれども。 4手版編曲というとファジル・サイの売れに売れまくった録音が思い浮かびますが、あれがサイ・フィルタを通った異形のハルサイだったことに本日改めて思い至りました。 当夜の*AK* the piano duoの演奏は実に「正統的」というか、オケのスコアを十分に連想させる丁寧な演奏で、感心することしきり(プログラムによれば、当夜の使用楽譜は、作曲者とニコラス・レーリヒによる1台4手編曲版を、さらに*AK* the piano duoが2台4手版に編曲したものらしい。ストラヴィンスキー・マラソンからすると、作曲者にとってどの部分がどれだけ重要だったかが想像できる貴重な時間でした。)。 それにしても面白いくらいオケの楽器が目の前に浮かぶんですよ。これはスコアに完璧に目を通していないと絶対に表現できない味だろうし、ピアノだけ聴いてピアノだけ弾いていては到達不可能な地点だと思う。厖大な音が飛び交う〈大地の踊り〉や〈生贄の踊り〉はさすがに指20本でも足りないかなという限界が見え隠れしたけれど、弦のフラジオ、Tpの咆哮、Fgのつぶやき、「芯のある」休符、どれも丁寧に移植されていて非常に好感を持ったです。〈生贄の踊り〉のブレスは物凄い迫力だったなあ。 ▲
by Sonnenfleck
| 2007-10-24 07:11
| 演奏会聴き語り
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