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「​ニコニコ現代音楽 #3」双子座三重奏団ライヴ@ニコニコ生放送(6/27)

c0060659_2124329.jpg【2012年6月27日(水) 19:00~】
●中川俊郎:双子座三重奏団のテーマ
●松平頼暁:《Why not?》*
●伊左治直:《竜の湯温泉郷への追憶》
●オズボーン:《フラミンゴタイムライン》(Tpソロ)
●中川俊郎:《アフリカの花嫁》(Tp+Pf連弾)
●カーゲル:《ヒポクラテスの誓い》(3手Pf)
●シェーンベルク/双子座三重奏団:《分かれ道》
●モーツァルト/双子座三重奏団:カノン《僕のお尻をなめて下さい》K559
●松平敬: 双子座三重奏曲
●シュヴィッターズ:《Ursonate》より 第1楽章(Voソロ)
●中川俊郎:間奏曲(Pfソロ)
●M.カーゲル:《オールド/ニュー》(Tpソロ)
●M.カーゲル:《Rrrrrrr...》
●C.ウォルフ:《GRETE》より
●中川俊郎:《ベルジュレット》
 ○中川俊郎:双子座三重奏団のテーマ*

⇒双子座三重奏団
  曽我部清典(Tp)
  中川俊郎(Pf)
  松平敬(Vo)
→桑原ゆう(MC、パフォーマンス*)
(2012年6月30日/タイムシフト視聴)


ふと気が向いたので、ニコニコポイントを購入して視聴した。

+ + +

まるでNHK教育テレビの幼児向け番組のテーマ曲のようであり、たくさん流れた「帰るわwwww」などといったコメントから判断するに、ここで一気に視聴者を減らした「双子座三重奏団のテーマ」。一周回ってカッコ悪いってどーなのさ。

幸いにして松平頼暁の《Why not?》はけっこう楽しい。
無作為に切られたトランプをめくり、4つのマークと13までの数字に応じて、4名が演奏行為をコラージュする作品。
旧約聖書朗読、ショスタコーヴィチ、リコーダー、手拍子、モンテヴェルディ、室生犀星『蜜のあはれ』朗読、ショパン、電子ノイズ、ビゼー、大きな栗の木の下で、ボイスパーカッション、マーラー、犬の鳴き真似、武満、ホーミー、などが滅茶苦茶に混じり合うカオスは、しかし意外になじみ深い。これは僕たちの「街」じゃないかい。変な詩情がある。

架空の温泉郷を設定し「温泉らしい音響と感興」で音楽を創った、伊左治直《竜の湯温泉郷への追憶》。
ピアノ筐体内に向かって歌ったりトランペットを吹き入れたりしてお風呂場の音響を模したり、そこらへんのちゃぶ台を叩いているような鼓の響きが加わったり、いろいろな行為が実践される。アイディア倒れに終わらないのは、温泉らしさの周辺にある日本文化のエッセンスがよく移植されているからかな。

中川氏の自作自演、生放送前日に仕上がったという「間奏曲」は、ドビュッシーの初期作品みたいな果物的ロマンティシズムが、かえって怪しい。気持ちが悪い。

そしてカーゲルの《Rrrrrrr...》が熱演。いろいろな編成のために作曲された小品集である《Rrrrrrr...》から、ヴォーカルが入るものが抜粋されました。特にSL走行音のテープによって伴奏される最後のピースは駘蕩とした雰囲気で、幼いカーゲルが捉えたブエノスアイレスの《パシフィック231》のようでもあった。

+ + +

僕は偶然、松平敬氏のブログ「KLANG weblog」でこの生放送を知ったんだけど、もっと各所で宣伝されればよかったのにな。

たとえばコンサート会場で配られるチラシの束にこのニコ生のチラシが潜り込んでいても、いいと思う。この内容に500円を支払うことについて僕は全然やぶさかでないし、現代音楽のコンサートに詰めかけている特定の聴衆層だって、そう感じる人が多いんではないだろうか。ただし、お金を取ることを当然と彼らが認識しているならば、バラエティ番組風の笑い声SEなんかはたいへんお寒いからやめてほしいし、奏者の駄弁りも刈り込んで、全般にグダグダ感をなくすべきと思う(楽壇のコメディ感覚って、いったいいつになったら改善されるもんなのかねえ)

なお、MCの桑原さんは藝大院卒作曲家かつ読者モデルという凄いキャラクタ。
by Sonnenfleck | 2012-07-13 21:28 | 広大な海